双子を帝王切開で出産した日。3リットル超の出血と意識不明、それでも生まれてきてくれた命の記録

妊娠中

双子妊娠は、単胎妊娠と比べて母体への負担も大きく、出産も慎重に進められることが多いと言われています。

私たち夫婦もその例外ではなく、約2ヶ月という長い入院生活を経て、ついに出産の日を迎えました。

夫のナガト、妻のうさこ。

待ち望んだ双子との対面の日。

ナガト
ナガト

けれどその日は、ただ感動だけでは終わりませんでした。

帝王切開で双子を出産した直後、うさこは3リットルを超える大量出血を起こし、一時意識を失いました。

うさこ
うさこ

(本当に)記憶がございません…

今振り返っても、人生で最も長く感じた数時間だったと思います。

今回は、双子を帝王切開で出産した当日の出来事を、父親の立場から記録として残します。

これから双子出産や帝王切開を控えている方の参考になれば幸いです。

約2ヶ月の入院生活を経て、ついに出産の日へ

うさこは妊娠中、切迫早産のため、かなり早い段階から入院生活に入りました。

自由に外出もできず、毎日同じ景色の中で過ごす日々。

身体的な負担はもちろん、精神的にも相当きつかったと思います。

それでも、お腹の中の子どもたちを守るために耐え続けてくれました。

そして迎えた出産予定日。

双子出産は、安全面を考慮して帝王切開で行われることが決まっていました。

日が近づくにつれて、うさこの不安は強くなっていきました。

「無事に生まれてくれるかな」
「手術ってどれくらい痛いんだろう」
「自分は大丈夫かな」

そんな言葉を口にすることも増えていました。

私も正直かなり緊張していましたが、こちらまで不安そうにしていては意味がありません。

「大丈夫。先生たちがついてるし、なんとかなる」

根拠はなくても、そう伝えることしかできませんでした。

手術室へ向かううさこ。残されるナガト

いよいよ手術の時間になり、うさこはベッドで手術室へ向かいました。

帝王切開前のナガトとうさこ
帝王切開前のナガトとうさこ

見送るその数分が、とても長く感じました。

看護師さんからは、

「赤ちゃんが出てくるタイミングでお父さんに声をかけますので、手術室の前で待っていてくださいね」

と説明され、私は廊下で待機することに。

この待ち時間が本当に落ち着きませんでした。

スマホを見る気にもなれず、ただ手術室の扉を見つめるだけ。

時計は進んでいるはずなのに、時間が止まっているように感じました。

手術室で見た現実の空気

しばらくして看護師さんから声がかかりました。

「では、入ってきてください」

ついにその瞬間です。

手術室に入ると、そこには想像していた以上に緊張感のある現場が広がっていました。

血のついたガーゼが山のように積まれ、うさこのお腹の中も見えている。

ドラマや映画とは違う、生々しい現実でした。

うさこは麻酔が効いていて会話はできていましたが、額から汗が流れていました。

手術中のうさこ
手術中のうさこ

手術への恐怖と身体への負担が伝わってきます。

医師が穏やかな口調で言いました。

「ではこれから赤ちゃんを取り出しますね〜」

私はただ、

「がんばれ!大丈夫!」

そう声をかけることしかできませんでした。

長女、次女の誕生。人生で忘れない瞬間

しばらくして、最初に長女が取り出されました。

小さな産声。

力強いというより、弱々しく、それでも確かに生きている声でした。

取り出された長女
取り出された長女

その瞬間、うさこの目から涙が流れました。

ここまで長い妊娠生活、入院生活、たくさんの不安を乗り越えてきた時間が、一気に報われたように感じました。

続いて次女も誕生。

こちらは比較的しっかりと泣いてくれて、手術室の空気が少し和らぎました。

私はカメラを回していましたが、手は震えていたと思います。

出生体重は、長女が2400g、次女が2222g。

双子としては珍しくない体重ですが、やはり小さく、少し検査を受けたあと、そのままNICUへ運ばれていきました。

まだ自力で呼吸する力が十分ではないため、慎重に管理するとのことでした。

短い時間でしたが、家族で写真を撮れたことは今でも宝物です。

うさこが来ない。少しずつ膨らむ不安

赤ちゃんたちがNICUへ向かったあと、うさこの処置が続くため、私は再び待合室へ戻るよう案内されました。

看護師さんからは、

「しばらくしたら、このエレベーターから奥さまも来られますよ」

と言われていました。

その言葉を信じて、私は待っていました。

しかし、待っても待っても来ません。

しばらくして担当医が現れ、

「出血量が多く、少し時間がかかっています。ただ、想定の範囲内なので、もう少し待ってください」

と言われました。

このあたりから、一気に不安が押し寄せました。

私はうさこの親族にも連絡し、状況を共有しました。

さらに時間が経ち、再び説明がありました。

「やはり出血が多く、輸血を開始しました。それでも想定内です」

想定内と言われても、こちらの心は全く落ち着きませんでした。

意識を失ったうさこ。父親の無力さ

それからさらにしばらくして、ようやくエレベーターが開きました。

ストレッチャーで運ばれてきたうさこに、

「うさこ!」

と声をかけました。

ですが、返事はありません。

大量出血により、意識を失っていたのです。

看護師さんたちの表情や慌ただしい動きからも、ただ事ではないことが伝わってきました。

私は何もできませんでした。

医療スタッフの皆さんを信じ、祈ることしかできない。

しかも、うさこの血液型は少し特殊で、もしさらに出血したら輸血用の血液は足りるのか。

そんな不安まで頭をよぎりました。

父親とは、こんなにも無力なのかと痛感しました。

数時間後、意識回復の知らせ

人生で最も長く感じた数時間のあと、ようやく連絡が入りました。

「奥さまの意識が戻りました」

その瞬間、全身の力が抜けました。

安心と疲労が一気に押し寄せ、椅子に座り込んだのを覚えています。

本人は、

「出産の時の記憶、あんまりないんだよね」

と話していました。

出血量は3リットル超。命がけの出産だった

後から聞いた話では、帝王切開の出血量は平均で1.5リットル前後とも言われるそうです。

うさこの出血量は、その倍以上となる3リットル超。

成人の全血液量は4〜5リットル程度とも言われるため、文字通り命がけの出産でした。

頑張ってくれたうさこ。

無事に生まれてきてくれた双子。

懸命に対応してくださった医療スタッフの皆さま。

感謝してもしきれません。

余談ですが、頑張ったうさこを回らない鮨に連れていきましたw

うさこの大好物大トロ
鮨

これから帝王切開に臨む方へ伝えたいこと

ここまで読むと、不安になる方もいるかもしれません。

ただ、私たち夫婦のケースはかなり稀だったと思います。

実際、同じ病室で帝王切開をされた方は、その後とても元気そうに過ごされていました。

帝王切開=必ず大変なことになる、というわけではありません。

必要以上に怖がらず、担当医や助産師さんを信じて臨んでほしいと思います。

まとめ

双子の帝王切開出産は、私たち家族にとって一生忘れられない一日になりました。

感動、安堵、恐怖、不安、感謝。

そのすべてが詰まった日でした。

そして何より、命をかけて出産してくれた妻への尊敬は、あの日からずっと変わりません。

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